「だれかのためにできることって、なんだろう?」
それは大きなことじゃなくてもいい。
いらなくなった服をだれかの役に立てること。
未来の地球を思って、水の大切さを伝えること。
まだ知らない仕事の世界にふれて、将来を考えること。
KOBELCOグループでは、そんな“ちいさな一歩”が、いくつも重なって“やさしさのリレー”になっています。今回は、グループ各社が取り組む3つの社会貢献活動を紹介します。
神鋼商事「古着deワクチン」
ものづくりを支える材料や機械を日本や世界に届けている神鋼商事グループでは、2021年から「古着deワクチン」という活動に参加しています。
参加方法はふたつ。
- 会社に設置してある専用回収キット(袋)に着なくなった衣類を持ち込んでもらう。
- 自宅に専用回収キットを持ち帰り、自宅から発送する。
着なくなった衣類を専用の回収キット(袋)に入れて送るだけで、カンボジアを中心に世界中で再利用されます。回収キット1個あたり5人分のポリオワクチン代が寄付され、「世界の子どもにワクチンを 日本委員会」を通して、ミャンマーやラオス、ブータン、バヌアツの子どもたちにポリオワクチンが届けられます。

着なくなった身の回りの衣類を送ることでお部屋が片付くだけでなく、世界の子どもたちにワクチンを贈れる素敵なサービス。気軽に社会貢献ができるため、社内からもうれしい声がいっぱい届いています。
- 「家族みんなでいっしょにSDGsについて考えるきっかけになった」
- 「不要になったもので社会の役に立てるのはうれしい」
- 「捨てるのはもったいないけど、この活動に参加すればちゃんと役に立つ」

■神鋼商事グループの実績(2025年7月8日時点)
- 専用回収キット547個分の衣類寄付
- 2,735人分のポリオワクチン寄付

この活動では、着なくなった服を寄付するだけでなく、服を分けたり、キットをつくったりするお仕事を生んでいます。このお仕事を通じて、障がいのある人や、むかしストリートでくらしていた子どもたちなど、いろいろな人が働けるようになっています。
2025年度は、能登半島地震の復興につながる応援パッケージを利用中。大切にしてきた衣類が、世界のいろんな場所でだれかの役に立っています。
神鋼環境ソリューション「水の大切さを伝える教育プログラム」
地球やみんなの暮らしをきれいにするためにがんばっている神鋼環境ソリューション。活動の舞台はカンボジアのプノンペンにある「コーダック浄水場」。ここでは約20,000人に24時間365日水道水が配られています。
この浄水場を活用して、小学生向けの社会科見学が2022年からはじまりました。
活動のはじまり
カンボジアでは、安全な水について、くわしく知らない人がたくさんいました。
学校で水のことを学ぶ授業があまり行われておらず、先生たちも、水をきれいにする浄水場を見たことがなく、メコン河という大きな川のにごった水がどうやって飲める水になるのか、わかっていなかったのです。
使える水は実際には限られていることや、「手洗い」や「うがい」もカンボジアではまだ知られていません。好奇心あふれる小学生に社会見学を通して水や環境のことを学んでもらい、カンボジアの人たちが元気に過ごせるように、との想いで活動がはじまりました。

説明役は現地のスタッフたち。
水の仕組みをアニメーションで紹介したり、グループに分かれて水をきれいにする実験をしたり、顕微鏡で微生物を観察したりと、楽しく学べる授業に工夫をこらしました。施設の中も見学し、集合写真を撮って、窓口に掲示して地域の人たちにもPRしました。

これまでに見学したのは、4年間でのべ1,400人以上の小学生。
「水道の水がなぜ安全なのか、ちゃんとわかった」
「水をもっと大切にしようと思った」という声がたくさん届いています。
年度 | 参加人数 |
---|---|
2022年度 | 350 |
2023年度 | 347 |
2024年度 | 384 |
2025年度 | 380 |
計 | 1,461 |
見学を通して、地域の診療所の先生からも「下痢や皮ふ病の患者が減った」との声が寄せられ、水への理解が暮らしを変えていることが伝わってきます。
この活動は、これからも継続していく予定です。大学からの見学依頼も増え、教育活動としてますます注目されています。

安全な水への理解と、それを地域の人たちに届ける浄水場への理解が、より良いまちづくりにつながります。
コベルコロジスティクス「船の仕事体験」
物流の安心を支えるコベルコロジスティクスでは、2007年から「船員就業体験」を実施しています。
この体験は、高校生や海上技術短大生が、実際の船に乗り込み、船員の仕事や生活をリアルに体験するという取組み。
海の上で働く船員の仕事は大変ですが、実際に体験することでその魅力ややりがいに気づくことができ、何より物流を支える仕事の大切さを知ることができます。
受け入れを行ったのは、石灰石を輸送する「神英丸」という船です。
海の仕事を体験して
2024年の夏、4泊5日で男女4名の学生が参加し、航海中の船内で仕事を見学したり、料理当番を体験したり、航海士と一緒にブリッジ(運転室)で過ごしたりしました。


参加者からは
- 「船員さんの仕事を見て、人と人との信頼関係の大切さを感じた」
- 「船の中で、安全においしい料理をたくさんつくれるのはすごい!」
- 「船の仕事の流れや、やりがいを知ることができた。貴重な5日間だった」
といった前向きな声が寄せられました。

2025年は、8月5日〜9日の5日間で就業体験を実施。海上技術短大生と高校生、それぞれ1名ずつを受け入れる計画です。
船員という仕事は、遠い世界のように感じるかもしれません。
でも、実際に体験してみると、「こういう仕事もあるんだ」と新しい発見に気づくきっかけになります。参加した学生たちの表情からは、未来の可能性が広がったことが伝わってきました。
わたしたちの、やさしい一歩
どの活動にも共通しているのは、「自分にできることから、やってみよう」という気持ち。
その一歩が、だれかの笑顔につながっていきます。
KOBELCOグループの社会貢献は、今日のあなたのちいさな行動を、世界や地域、そして未来へとつなげていきます。
次のやさしさのバトンを、あなたの手に。
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